|
1 はじめに
炭は古くて新しい素材といわれている通り、未知の可能性を秘めた機能性素材です。消臭、汚れ吸着、遠赤外線放出効果もさることながら、身の周りに置く事によって多忙な日常生活に
「やすらぎ」 を与えてくれる 人に優 しい素材です。 近年、その様な事から 炭の利用が見直されて いますが、効果が、その人間の感性や思い込みに依存する事から、データ 重視型の社会では、効果に対して 「眉唾物」 と判断を下される ケース も多々あります。
(このような商品も稀に、見受けられます。) 炭を素材として商品提供者として、このような不安要素を取り除きたく、簡潔に炭に関して記したいとおもいます。
→先頭に戻る
2 炭とは
お客様に
効かれる質問として
「炭と灰ってどう違うの?」
「炭と黒鉛って同じなの?」
「炭を使うのは日本人だけなの?」
と聞かれますが、そもそも
炭 とは、広辞苑 で引きますと
@ 木の焼けて黒くなった物
A 薪材を蒸し焼きにした黒塊。燃料または貯火用とする。材の
種類や焼く温度の高低によって種類が多い。木炭
B 石炭の別称とあります。
ここで、私たちが炭と言っているのは
Aの木炭で あり、備長炭、茶の湯炭、竹炭
など近年良く耳にすると思います。
→先頭に戻る
3 灰と炭の違い
炭と灰の違いですが、炭は薪材を還元雰囲気中でで蒸し焼きにして作るので、その成分は
75〜95% の 炭素 を含有しますが、灰は 酸化雰囲気中で焼いた物ですので、薪材に含まれるほとんどの炭素は
酸化され COもしくはCO2ガス になるので、基本的に炭素は含有しません
。
炭等の黒物が着火するのは炭素の酸化反応であり、灰が着火しないのは、酸化する炭素を含んでいないからです。
→先頭に戻る
4 黒鉛と炭の違い
黒鉛、炭 共に 無定形炭素 のの一種ですが、黒鉛は一般的に炭素からなる鉱物である
石墨 の事をさします。大部分が酸化物の 灰 が 着火しないのはそのためです。
元々は太古の植物が地中に埋没、堆積したものであり程度により 泥炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、石墨に分類されます。石墨
は 黒銀色 で美しい光沢があり、結晶が燐片状である事から、粉砕した物は 鱗状黒鉛 とも呼ばれています。
反対に炭とは、前述したとおり木材を蒸し焼きにした物(熱分解残渣)ですから生成過程がまるで違います。炭は人工的に作る事が出来るので処理温度により炭の性質、含有成分が変わってきます。大きな違いとしては
@反応性が大きい
.... 金属精錬や炭酸ガスの製造が低温
で出来る。
A不純物が少ない ....
金属精錬時、鍛造時に不純物の
影響を受けくい。
B吸着性が大きい
...... 多孔質ゆえにフィルターとして使用で
きる。
→先頭に戻る
5 炭は外国でも使われているのか?
ほとんどの国で炭は作られ使われています。但し多くが先進国では、工業用若しくは バーベキュー や レストラン の調理用であり、発展途上国は主に家庭用燃料として使用されます。炭はイランのような石油産出国でも作られています。日本の炭焼き技術も中国からの影響を受けているとの説があります。
→先頭に戻る
6 白炭と黒炭
前述した通り炭は世界各国で作られているのですが、多くの日本人の方は
炭は日本特有の技術と思っておられます。
これはおそらく 日本の製炭法が諸外国に比べ少し異なり、製造方法において白炭、黒炭とに区分される事に依存すると思いす。
備長炭に代表される白炭は、中国の一部に似た物が見られますが、備長炭の様に高度の高い物は世界中にその例をみません。
白炭と黒炭の違いですが、火を消す際に 釜を開け 空気を釜の中に入れて、頃合をみて
灰をかけて消化した物が白炭。
そのまま煙道口を密閉して炉冷した物が
黒炭。 素人目には些細な事ですが下記に示すように、性質は大きく異なります。又白炭、黒炭の呼び名ですが
、 黒炭は字の如く黒いのですが、白炭は、消化の際にかけた 灰 が 表面にしみこみ 灰褐色 となる事に由来します。
|
|
白炭 |
黒炭 |
|
炭素分 |
多い |
少ない |
|
発揮分 |
少ない |
多い |
|
硬度 |
硬い(叩くと金属音) |
柔らかい(叩くと鈍い音) |
|
炭化温度* |
約1,000度 |
400〜700度 |
|
PH* |
9.0〜9.5 |
8.5 |
|
物理的性質 |
均質・硬質 |
不均質・軟質 |
|
電気抵抗値 |
低い |
高い |
|
着火点 |
低い |
高い |
|
燃焼温度 |
低い |
高い |
|
燃焼時間 |
長い |
短い |
|
概観 |
灰褐色 |
黒色 |
*創森社 岸本定吉
著 「炭」
表中の多い少ない、高い低いは白炭と黒炭の相対比較結果です。
→先頭に戻る
7 炭の吸着性
備長炭、竹炭 等あるいはその加工品が、炭の吸着性を
着目され 多く世に出回っています。
無論この事は以前から人類が経験的に知っていた事で、紀元前5世紀の 中国の軑公夫人 の墓には約 5tの炭 が棺の回りに使われていて、吸湿により官の保存を図ったという説もあります
炭の特徴の一つである 吸着性 は、炭が
多孔質(隙間が多い)な事に依存します。
炭の中では 繊維質の多い 竹炭 が最も表面積が多いといわれ、1gで300m2 以上あるといわれています。
炭の表面積は 一般的に 炭化温度 約700℃ を境に大変わり、700℃を超えた物 はガラス質 を形成するので、表面積は少なくなります。
つまり備長炭のように高温炭化されたものより低温で炭化された 黒炭 の方が吸着力は大きくなります。
吸着力を人工的に特殊処理を施し強くしたのが活性炭であり、内部表面積は 1g辺り1000m2以上 あります。
活性炭はフィルター及び脱臭剤とその用途は非常に多いのですが、飲料水に入れる場合は ミネラル分 の多い 竹炭等 の方がミネラル分 が容易に水溶化するので、結果旨みが増す傾向にあります。 炭に茸が生える事も炭に ミネラル が豊富にある事、あるいは 炭 が吸着した不純物を餌 とするのかもしれません。
→先頭に戻る
8 活性炭
木炭は、吸着性に優れた材料ですが、木炭の吸着力を化学的に高めたのが活性炭です。活性炭は浄水、大気浄化、ろ過剤として多く使用されます。
活性炭の種類としては、形状から 粒状活性炭(粒状の活性炭で米粒くらいの塊 から3〜5mmの円筒状と用途によって別れます) と 粉末活性炭 (粉末で 粒度100〜500メッシュ程度)に別れます。
粒状活性炭の原料としては、活性炭の製造の際に軟化しない、ヤシガラ炭が適しています。ヤシガラ炭は東南アジアのココナットヤシのヤシガラを炭化した物です。
活性炭の製造方法な差から、塩化亜鉛法と水蒸気法があります。塩化亜鉛法で製造し
簡単な製法と、性質及び用途に関しては下記の通りです。
| |
塩化亜鉛法 |
水蒸気法 |
|
製法 |
@鋸屑等の木炭に2〜3
倍程度の塩化亜鉛をし
み込ませて約600度で
炭化。
Aその後、得られた炭を希
硫酸で洗い塩化亜鉛を
回収
Bアルカリで塩酸が無く
なるまで洗う
C熱水で洗い乾燥
|
@木炭粉、コークスを約
1000℃で加熱する。
Aこれに加熱空気、水蒸気
を吹き込み炭粉を水性ガ
ス化反応でポーラスにす
る。
B希塩酸と水で繰り返し洗
う。
C乾燥後一定のの粉末、
粒とする。
D粒状活性炭を作る場合
はあらかじめ木炭粉に粘
結剤を混入し整形してか
ら、@の作業に入る。 |
|
処理温度 |
600〜650℃ |
1000℃ |
|
PH |
酸性 |
アルカリ性 |
|
特徴 |
穴径がおおきい。 |
穴径が小さい。 |
|
用途 |
分子の大きいもの、例えば精糖、でんぷんぼ精製等に用いられる。 |
分子量の小さい物。例えばガスの吸着に用いられる。 |
|
製造される活性炭 |
粉末活性炭 |
粉末炭、粒状活性炭 |
→先頭に戻る
9 薬用炭
炭の粒子は角張っており飲んだりすると皮膚に刺さり危険なので角を丸くしてあります。
多孔質
の穴を多くして、表面積を多くしより多くの有害物質を吸着します。
毒性アミン、ストリキニーネ、フェノール、アトロピン、モルヒネ、毒キノコ、塩化第水銀などの吸着に使まれます。
→先頭に戻る
10 参考文献
創森社 岸本定吉著 「炭」
「竹炭・竹酢液のつくり方と使い方」
致知出版社 池島項庸元著 「竹炭は効く」
→先頭に戻る
11 内容に関するお問い合わせ
内容に対する、不備、意見をお持ちの方は下記のアドレスまでご連絡を頂ければ幸いです。
customer@sap-co.com
→先頭に戻る |